オオノヨシヒロ セカイノハジマリ 展 レポート
先日、絵本作家であるオオノヨシヒロさんの”セカイノハジマリ” 展が終了しました。そこで、今回はオオノさんの作品とインタビューをお届けします。
オオノさんへのインタビューです。
Q. 絵本の魅力について教えてください。
A. 奥が深いところ。 第一印象は簡単じゃないと思った。
少しの展開だけでもすごいエネルギーがいる。 一見、おもちゃのように見えるかもしれないけど、難しい。根性がいる。
でも、楽しまなければならない。楽しまなければ、見てる人が楽しくないから。 しんどいけどやめられない。
あんなに奥の深い物はない。
“行きはよいよい、帰りはこわい。”
Q. 絵を見せて頂いて、子供のような感性を感じました。それをキープするために何かしている事はありますか?
A. 特にないです。存在自体が子供なんじゃないかと。 絵本は子供のためだけにつくるんじゃなく、子供からお年寄りのためにつくってあげたい。 外国では絵本はPicture Book。 今までは子供の世界のものだけだったけど、これからは大人のためにつくらないといけないのではないかと思います。
Q. オオノさんが絵を描くときに心がけている事はありますか?
A. 絵を描く前にかたづけをする事。 かたづけしないと絵を描けないんです。 これは性格的なものかな。 でも今、次女と三女といっしょに机並べて絵を描いてるんです。 長女が大きくなって、3人部屋だと勉強に集中できないって言うので、僕の部屋を長女の部屋にしたんです。 最初、子供がうるさくて描けないのかなと思ったんですけど、 これが集中できるんです!
これには自分で驚きました。 自分で “すごい!”と。
僕は人に見られても絵は描けるんです。自分の世界に入っていける。 新幹線の中でも絵は描きます。のぞみやひかりがアトリエに変わりますよ。絵の具出して。 でも、隣に人がいたら描かないですよ。迷惑ですからね。
でも、人は気にならないけど、妻は気にしてる。
妻の顔色をうかがったりしてます。(笑)
それは例外の一つです。
Q. オオノさんの絵からみられる意外性やユニークさはどこから来ていますか?
A. ことば。
例えば俳句はイメージの世界。
“蛙とびこむ水の音 ”
文でありながら、ヴィジュアル。
ことばは使い方によってビジュアルになる。
また、僕は絵に負けないくらい本が好きなんです。
いつもカバンには5冊くらい本があって、それを並行して読むんです。それはもうクセで、小説から哲学、心理学、人類学、宗教学まで色々な本を読みます。
子供のころに見た夢は図書館でさまよっている夢。 それはとてつもなくでかい図書館。 どこまでも本が続いてるんです。
図書館、大好き。(笑)
Q. 趣味は何ですか?
A. ないです。 絵を描く事。 絵を描くとストレスとれます。
Q. 好きな作家さんは誰ですか?
A. アンドレイ・ルブリーヨフ 14世紀頃のイコン画家です。 大好きなんですよ。たまんないですね。
小説では安部公房。 想像の限界を超えてましたね。
ガルシア・マルケス 『百年の孤独』が好きです。
Q. これからについてお聞かせ下さい。
A. ガンガン描いて行きます。 特にキャンバスの作品をやっていきたい。 自分に正直にやっていきたい。
Q. ギャラリージクウ22をどう感じましたか?
A. 空間が心地よくて、おもしろいです。不思議ですね。建物がいい。 向井さんに魅力があります。独特の世界観を目指そうとしている。
オオノさん、
楽しいインタビューをありがとうございました。
2009年06月30日
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