山下達己 森尾佳子 ガラス二人展 レポート

ギャラリージクウ22 山下達己 森尾佳子 ガラス二人展

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先日、『山下達己 森尾佳子 ガラス二人展』を終えたお二人に、ガラスをつくる上での内面的な事柄を中心に、インタビューをさせて頂きました。

ギャラリージクウ22 山下達己 森尾佳子 ガラス二人展

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Q. 今回のガラス二人展をやることになったいきさつを教えてください。

A. 山下さん
私はこの町内に住んでいまして、去年、森尾さんが展覧会をやっていた時にここへ見に来たんです。
そしてその時に、ジクウ22の向井さんが、おつきあいをしましょうということで、また、みなさんに作品を広く見てもらおうということで、森尾さんと二人展をやる運びとなりました。

Q. お互いの魅力について教えてください。
A. 山下さん
色々な若い作家がいるけれど、自分の特色を出せば出そうとする程、かえってゆがんだものになってしまう。
意識しないでつくった方が自分らしさがでると思う。森尾さんは自然体でつくっている。
また、女性が女性のものをつくるというのは特別に魅力を引くポイントがあると思うんです。
女性らしいというところでは、彼女にしかできない所があると思うから。

ギャラリージクウ22 山下達己 森尾佳子 ガラス二人展ギャラリージクウ22 山下達己 森尾佳子 ガラス二人展

森尾さん
私が言うのも恐縮ですが、山下さんのは、ずっと使っていきたいと言うか、ずっと側に置いておきたい作品だと思うので。
言葉は悪いかもしれませんが、飽きが来ないと言うか、代々使ってもいいような普遍的な作品だと思います。

ギャラリージクウ22 山下達己 森尾佳子 ガラス二人展

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Q. 
ガラスを吹いている時というのは、どんな精神状態(感じ)で吹いているのでしょうか?
A. 山下さん
昔と今は違いますね。
昔はとにかく小さい所ばかり見ていたように思いますね。1点をね。
今は制作に対しての余裕があるので、点ではなく面で見てると言うか、広い感じで見ていると言うか、客観的な目で自分の作品を批判できるような目を持つように心がけています。
しかし、作品の善し悪しというのは本当に必死につくってる方が自分の意欲が伝わりやすいんですよね。
余剰の人が脇目もふらずやっている方が美しいと思うんですよ。その方がパワーがいると思う。
私は60間近にしてパワーがなくなるから、自分の内面を客観視して、善し悪しを判断できる事も必要だと思ってます、

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森尾さん
つくっている最中の作品のできた形の面白さとかをとどめられるよう、物にとどめられるように意識しながらつくっています。
だけど、”できちゃった”みたいな物ばかりできてもダメなので、”ちゃんとしたものをつくらねば”とようやく最近思えるようになってきたんですけど。。。
私は自分で釜を持っていないので、なかなか技術面で上達しないんですけど、からだが忘れないように覚えながら出来るようになりました。

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Q. ガラスをつくっているときのモチベーションは何ですか?
A. 山下さん
無理をしない事、がんばらない事。
それは制作する前に体をつくっておくことや健康を維持しておくこと。頭より体のメンテナンスが大切だと思う。
職人的な仕事が自分の範疇だと思っていますから。私は同じ形、同じサイズをつくることをしてますので、体に留意しながら仕事に取り組んでいます。がんばるという事は無理な力でやらないといけないという事であり、全力疾走でやったら1日もたないですから。ばてないように1日きちっと仕事をする事が大切だと思っています。気は抜いてないですよ。(笑)

森尾さん
自分のほしいなとか、あったらいいな、と思うものをつくりたいと思っていて、ドキドキ、わくわくするような感じで楽しみながらつくることを心がけています。いやいやつくるようになったらおしまいだと思うので。

ギャラリージクウ22 山下達己 森尾佳子 ガラス二人展

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Q. ガラスをやっていて良かったと思う事はなんですか?
A. 山下さん
自己満足やね。
その世界を持てたことが最高の喜びやね。
サラリーマンをやっていたんですけど、会社にいてそういう気持ちが高ぶることはないです。
自分でやると全て1から10まで自分の責任になるわけですから、社会的な満足度というのは充実するところだと思いますよね。この仕事というのは満足度の高いものですよ。

森尾さん
大学を出てやっと10年なんですけど、その間ずっとガラスに触れ続けてきて、人に「私はこういうことをやっています。こういう人間ですよ。」というものができて良かったと思うことですかね。

Q. 10年後の自分について聞かせてください。
A. 山下さん
当然今のままで良いとは思っていませんので、10年後の進歩と今現在をはかりにかけた時に、その進歩の方が良いと思えるように仕事を頑張っていきたいです。

森尾さん
この10年がガラスを続けるということで、なんとかガラスに携わって、”ホップ・ステップ・ジャンプ”の、”ホップ”に来れたところなので、次の”ステップ”に確実にいけるような10年にしたいと思います。

ギャラリージクウ22 山下達己 森尾佳子 ガラス二人展

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Q. ギャラリージクウ22をどう思いますか?
A. 山下さん
ここは申し分ないですよね。
本当に環境が良くて、太陽の光が入ってきて、ガラスは本当にきれいに見えるんですよね。
そういう所がすごくいいと思います。

森尾さん
去年、私がやらせて頂いたときは、まだ始めて間もなかったと思いますが、今年、久しぶりに来させて頂いて、カフェスペースができていたり、作品がとても見やすい空間になっていて、全体的に落ち着いた感じでお客さんが来やすい場所になったと思います。
世間の喧噪を離れて、お茶をしながら展覧会を楽しんで、ここでぜいたくな時間を過ごせるのではないかと思いました。

山下さん、森尾さん、どうもありがとございました。

TEL  072-767-5288

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2010年06月15日

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